スケートボードはアクションスポーツの中でも人気のあるスポーツであり、その魅力は自由な動きやトリックを楽しむことができることにあります。初心者にとっては、初めての経験となるスケートボードには興奮と不安が交錯することでしょう。しかし、正しい知識と訓練を積むことで、楽しみながら上達することができます。この記事では、スケートボード初心者のための基本的な情報とスタートガイドを紹介します。

1.スケートボードの基本
A.パーツ選び
スケートボードは、デッキ(板)、トラック(車輪の支え)、ホイール(車輪)、ベアリング(車輪の回転をスムーズにする部品)から成り立っています。それぞれの部品は、スケートボードの性能や乗り心地に大きな影響を与える重要な要素です。特に初心者にとっては、丈夫で使いやすい部品を選ぶことがスケートボードを楽しむ上で重要です。
| デッキ(板) | デッキは、スケートボードの基本となる板状の部品で、主に木材や合成材料から作られています。デッキの形状やサイズは、ライダーのスタイルや好みによって異なります。初心者には、安定感のある広めのデッキを選ぶと乗りやすくなります。デッキの下部にはグリップテープが貼られており、足をしっかりと固定するための役割を果たします。 |
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トラック(車輪の支え)
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トラックは、デッキの下部に取り付けられ、車輪を支える役割を担っています。トラックは金属製で、スケートボードの安定性やターンのしやすさに影響を与えます。初心者には、中程度の硬さのトラックを選ぶと安定感があり、操作しやすいです。 |
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ホイール(車輪) |
ホイールは、スケートボードの移動を可能にする部品で、主にポリウレタン製です。ホイールのサイズや硬さは、乗り心地やスピードに影響を与えます。初心者には、硬さがやや低めで、大きめのホイールを選ぶと、小さな障害物を乗り越えやすくなります。 |
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ベアリング(車輪の回転をスムーズにする部品) |
ベアリングは、車輪の回転をスムーズにし、摩擦を減らす役割を果たします。ABECという規格があり、その数値が高いほど高性能なベアリングとされます。初心者には、耐久性のあるABEC-5やABEC-7のベアリングを選ぶと良いでしょう。 |
初心者がスケートボードを始める際は、これらの部品の選択に注意することが重要です。デッキのサイズやトラックの硬さ、ホイールの大きさ、ベアリングの性能などは、個々のライダーに合ったものを選ぶことで、より快適なスケートボード体験を得ることができます。安定感のあるスケートボードで練習を重ねることで、スケートボードの楽しさと上達を実感できるでしょう。初心者にとっては、スケートボードの基本的な部品を理解し、適切な部品を選ぶことが、スケートボードをより楽しむための第一歩となります。
B.安全装備の着用
スケートボードを始める際には、必ず安全装備の着用が重要です。スケートボードは楽しいスポーツですが、転倒や急な動きがつきものであり、ケガをするリスクがあります。安全装備を着用することで、怪我を予防し、スケートボードをより安全に楽しむことができます。
| ヘルメット | ヘルメットは最も重要な安全装備であり、頭部を保護する役割を果たします。転倒や衝突時に頭部を保護し、重大な頭部外傷を防止することができます。選ぶ際には、頭のサイズに合った適切なサイズのヘルメットを選び、頭部をしっかりと固定できるように調整することが重要です。 |
| 膝パッドと肘パッド | 膝パッドと肘パッドは、転倒時に膝と肘を保護する役割を果たします。スケートボードは転倒することがよくありますが、膝や肘を保護することで、擦り傷や打撲を軽減できます。膝パッドと肘パッドは柔軟性があり、動きやすいデザインのものが選ばれることが多いです。 |
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手首パッド |
手首パッドは、転倒時に手首を保護するための装備です。スケートボードでは手首を使う動作が多く、手首の怪我はよくあるケガの一つです。手首パッドを装着することで、手首をしっかりと保護し、怪我を防止することができます。 |
これらの安全装備は、スケートボードを始める上で欠かせないものですが、特に初心者の方にとっては特に重要です。スケートボードの練習や技術の向上に集中するためにも、自信を持って走ることができるようになると、よりスケートボードを楽しむことができます。安全装備を着用して、事故や怪我を防止し、楽しさと安心感を両立させながらスケートボードを楽しんでください。また、自分のスケートボードのスタイルに合った、デザインやカラーの安全装備を選ぶことで、より個性を表現することもできます。無理せず、スケートボードを存分に楽しむためにも、安全装備をしっかりと身に着けることをお勧めします。
C.正しい姿勢とバランスの取り方
スケートボードに乗る際には、正しい姿勢とバランスの取り方が非常に重要です。正しい姿勢とバランスを身につけることで、スケートボードをより安定してコントロールすることができます。
| 足の配置と姿勢 |
スケートボードに乗る際には、まずデッキの上に両足をしっかりと載せます。一般的なスタンスは、左足を前に出して乗る「レギュラースタンス」と右足を前に出して乗る「ゴーフィースタンス」の2つがあります。どちらが自分に合っているかを見つけてください。両足を肩幅よりも広めに配置し、軽く膝を曲げておくと、より安定した姿勢を保つことができます。 |
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重心の位置 |
スケートボードに乗る際には、重心を低く保つことが大切です。背筋を伸ばし、上半身を直立させることで、バランスを取りやすくなります。重心を低くすることで、スケートボードとの接地面積が増え、安定感が増します。 |
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前後のバランス |
スケートボードに乗る際には、前後にバランスを取ることが重要です。前後に体重を均等にかけることで、スケートボードの前後に傾きすぎることを防ぎます。バランスを取るためには、腰と肩をスケートボードの向きに合わせるように意識しましょう。 |
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腕の使い方 |
腕の使い方もバランスに影響を与えます。腕をしっかりと前後に振ることで、バランスを調整することができます。特に初心者の場合は、腕を意識してバランスを取るとスケートボードのコントロールがしやすくなります。 |
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練習と慣れ |
正しい姿勢とバランスの取り方は、練習と慣れが必要です。最初は不安定な感じがするかもしれませんが、何度も練習を重ねることで自然と身につきます。最初はゆっくりと乗ることから始めて、徐々にスピードを上げていくと良いでしょう。 |
正しい姿勢とバランスの取り方をマスターすることで、スケートボードをより安全に楽しむことができます。しっかりと基本を身につけ、自分のペースで練習を進めてください。また、初心者の場合は、経験豊富なスケーターからアドバイスを受けることも役立ちます。楽しみながらスケートボードを極めていきましょう!

2.初心者向け練習方法
A.スケートボードに乗る練習
スケートボードに乗る練習は、初心者にとって重要なステップです。まずは安全な場所で、壁や手すりに手をついてバランスを取りながらスケートボードのデッキに乗り込む感覚を身につけましょう。以下は、スケートボードに乗る練習をより詳しく進めるためのポイントです。
・安定した場所での練習
最初は安定した場所で練習しましょう。広い平らな地面やスケートボードパークのフラットエリアが適しています。
・バランスを取る
壁や手すりに手をついて、スケートボードのデッキに片足ずつ乗り込む練習を行います。身体を中心に据えてバランスを取ることがポイントです。慣れるまで、両手を使って壁をサポートしながらトライしてみましょう。
・フットの位置
デッキの上に乗る際に、自分のスタンス(正面を向く足)を確認しましょう。左足を前にして乗る「レギュラースタンス」と、右足を前にして乗る「グーフィースタンス」があります。自分のスタンスを見つけて、慣れた方向で練習を進めてください。
・身体の姿勢
背筋を伸ばし、体重を均等にかけることで安定した乗り心地を得られます。膝を少し曲げ、リラックスした姿勢を保つよう心掛けましょう。
・転倒への対応
初心者のうちは転倒することもあるかもしれませんが、心配しないで大丈夫です。柔らかい地面で練習するか、必要に応じて保護具を着用して安全にトライしましょう。
・練習の継続:最初はバランスが取りにくいかもしれませんが、コツコツと練習を続けることで徐々に上達していきます。焦らずに楽しんで取り組んでください。
スケートボードに乗る練習を継続し、基本的なバランスや乗り方をマスターすることで、次のステップとしてスピードを出したり、トリックを練習する準備が整います。初心者向けの練習方法をしっかり把握し、安全に楽しみながらスケートボードに挑戦してください。
B.プッシング練習
プッシングは、スケートボードの基本的な移動方法であり、スケートボードをコントロールする上で欠かせないスキルです。片足で地面を押してスピードを出し、もう一方の足をデッキの上に乗せることで前進します。スムーズにプッシュすることで、スピードを維持したり、さまざまな場所を自由に移動することができます。
プッシングの練習では、まずは平らで広い場所で安定したスピードで練習することが大切です。片足をデッキの上に乗せながらもう一方の足で地面をしっかりと押し、滑らかにスピードを出します。ここでのポイントは、足の位置と体重移動です。
・足の位置
プッシングの際、前方向に進む足(プッシングフット)はデッキの後ろに配置し、後ろ向きに進む足(ノンプッシングフット)はデッキの前方に配置します。プッシングフットはデッキのテール部分をしっかりと蹴り出すようにしましょう。
・体重移動
スピードを出す際には、プッシングフットで地面を強く押しながら体重を前方に移動させます。そして、スピードが出たら体重を均等に乗せることで安定して滑ることができます。
練習場所としては、初心者には緩い坂道がおすすめです。坂道を利用することで自然にスピードが出しやすく、プッシングの感覚をつかみやすくなります。ただし、坂道は急な場所や交通量の多い場所を避け、安全な場所で練習するようにしてください。
また、プッシングの際にはバランスをしっかりと保つことも重要です。両足をしっかりと押さえて、前後に揺れないように意識しましょう。最初は安定感が得られないかもしれませんが、コツコツと練習を重ねることで自然に上達していきます。プッシング練習を続けることで、スケートボードを自由に操り、楽しいスケーティング体験ができるようになります。自分のペースで無理なく練習しましょう。
C.ターニング練習
ターニングはスケートボードの基本的な技術であり、スケートボードをコントロールし、自在に方向転換するために欠かせないスキルです。ターニングを行うことで、スケートボードの進行方向を変えることができ、様々なトリックやスキルを織り交ぜながら滑ることができます。
ターニングの練習には、まずスピードを落としてから行うことが重要です。高速でターニングを試みるとバランスを崩しやすくなり、危険な状況に陥ることがありますので注意が必要です。安定したスピードで練習を始め、徐々にスピードを上げて慣れていくことが良いでしょう。
ターニングの際、体重をかけることでカーブを描きます。ターニングフット(方向転換を行う足)の方向に体重をかけ、その方向へ滑り始めることでターニングが成立します。また、上半身もターニングに合わせて体を傾けることで、よりスムーズなカーブを描くことができます。
スケートボードは左右にターニングすることで方向転換ができます。左ターンと右ターンの両方をバランスよく練習し、どちらの方向でも自由に方向転換ができるようにしましょう。初めはバランスが難しいかもしれませんが、コツコツと練習を重ねて自信をつけていきましょう。
ターニングの練習を通じて、スケートボードの操作に慣れ、自由自在にスピードをコントロールできるようになります。また、ターニングはトリックやジャンプに繋がる基本的な動作でもありますので、スケートボードの世界をより深く楽しむためにも大切なスキルです。楽しく繰り返し練習を行い、スケートボードの魅力を存分に味わってください。

3.初心者向けトリック
A.オーリー
オーリーはスケートボードの中でも最も基本的なトリックのひとつであり、スケートボーダーにとって非常に重要なスキルです。オーリーをマスターすることで、障害物を乗り越えたり、エアリアルトリックを行ったりすることが可能になります。
オーリーの基本的な動作は、後ろ足でスケートボードのテール(デッキの後ろ部分)を叩いて板を浮かせることです。この際、体重をしっかりと後ろ足に乗せ、テールを叩いた瞬間に力強くジャンプするようにします。同時に前足を持ち上げることで、スケートボードが地面から離れることができます。
オーリーのポイントは、テールを叩くときのタイミングと力強さ、そして前足の持ち上げ方です。タイミングを合わせることでスムーズなジャンプが可能になり、力強くテールを叩くことでより高くジャンプすることができます。前足をしっかりと持ち上げることで、スケートボードが空中で水平に保たれるため、着地が安定します。
初心者の場合は、まずオーリーの動作をゆっくりと確認しながら練習すると良いでしょう。まずは地面に両足をしっかりと付けた状態で、後ろ足のテールを叩いて板を浮かせる練習を行います。次に、ジャンプの要領で前足を持ち上げてスケートボードを浮かせる動作を練習します。徐々にスピードを付けて実際のオーリーに近づけていきましょう。
オーリーはスケートボードのトリックの中でも非常に基本的な動作であり、他の様々なトリックの基盤になります。しっかりと基本をマスターし、安全に楽しくトリックを行えるようになるためにも、コツコツと練習を重ねることが大切です。上達するたびに達成感が得られ、スケートボードの魅力にどっぷりと浸かることができるでしょう。
▼参考動画
B.キックフリップ
キックフリップはスケートボードの中でも非常に人気のあるトリックであり、スケートボーダーにとって魅力的な技術のひとつです。オーリーの基本動作を応用することで、スケートボードが空中で横回転するようになります。
まず、キックフリップを行うためにはオーリーの動作をしっかりとマスターしておくことが重要です。オーリーの基本的なジャンプの要領で、後ろ足のテールを叩いてスケートボードを浮かせます。そして、ジャンプした瞬間に前足を使ってデッキのノーズを強く蹴ることで、スケートボードを横回転させる力を加えます。
キックフリップのポイントは、ノーズを蹴るタイミングと力強さです。正確なタイミングでノーズを蹴ることで、スケートボードが適切な角度で回転し、フリップを完成させることができます。また、強めにノーズを蹴ることでより速く回転させることができますが、力の加えすぎに注意してバランスを保つことが大切です。
初心者の場合は、まずはオーリーのジャンプとノーズの蹴り方を個別に練習すると良いでしょう。オーリーの動作をしっかりと身につけたら、次にノーズを蹴る練習に移ります。まずは低めのジャンプで、ノーズを蹴ってスケートボードを横回転させる感覚をつかみましょう。徐々に高いジャンプと速い回転を目指して練習を重ねてください。
キックフリップは技術的に難しいトリックですが、コツコツと練習を重ねることで上達していくことができます。失敗しても諦めずに何度もトライし、成功したときの達成感を味わいながら楽しみましょう。スケートボードのトリックは自由な発想と熱意が重要な要素であり、自分なりのスタイルで楽しみながら挑戦してください。新しいトリックをマスターする喜びや成長を感じることができることでしょう。安全に楽しみながらスケートボードを極めてください!
▼参考動画
C.マニュアル
マニュアルはスケートボードの中でも魅力的な技術のひとつであり、デッキの前後軸上でバランスを取ることに挑戦します。スケートボードをスピードを出して滑走しながら、デッキの前後軸上を滑るようにバランスを保つことが求められます。
マニュアルは、オーリーやキックフリップとは異なる独自のスキルが要求されるトリックです。デッキの前後軸上でバランスを取るためには、細かな体重の移動や足の動きに敏感に反応する必要があります。少しの不注意や体重の乗り違いでバランスを崩すことがあるため、初心者の方は最初は低いスピードで練習することをおすすめします。
マニュアルを成功させるためには、まずはオーリーの基本的なジャンプの要領やバランスの取り方を習得することが重要です。オーリーの練習を通じて、デッキの前後軸上での体重移動や足の使い方を感覚的に身につけることが大切です。
初めてマニュアルに挑戦する際は、壁や手すりに手をついてサポートしながらバランスを取ることから始めると良いでしょう。そして少しずつサポートを減らして、自分だけの力でデッキの前後軸上を滑走する感覚を掴みましょう。繰り返しの練習を通じて、徐々に長い距離をマニュアルで滑ることができるようになります。
スケートボードは初心者から上級者まで、誰もが楽しむことのできるスポーツですが、安全に楽しむためにも適切な保護具の着用や周囲の安全確認などに気を配ることが大切です。無理をせず、自分のペースで着実にスキルを向上させていくことで、より楽しいスケートボードライフを送ることができるでしょう。
まとめ
スケートボードは初心者から上級者まで、誰もが楽しむことのできるスポーツです。特に初心者の方にとっては、最初の一歩を踏み出すことが勇気がいるかもしれませんが、その楽しさと達成感は何物にも代えがたいものです。
初めてスケートボードに乗る際は、まずはデッキの上に乗る練習から始めることをおすすめします。壁や手すりに手をついてバランスを取りながら、デッキの上に乗り込む感覚を身につけましょう。慣れるまでは低いスピードで練習することで、安全にスキルを身につけることができます。
次に、プッシング練習を行いましょう。プッシングはスケートボードの基本的な移動方法であり、片足で地面を押してスピードを出し、もう一方の足をデッキの上に乗せることで前進します。緩い坂道で練習すると、スピード感をつかみやすくなります。
また、ターニング練習も重要です。スピードを落としてから体重をかけてカーブを描くようにターニングを行います。左右のバランスを取ることで自由に方向転換ができるようになります。慎重に練習を重ねることで、よりスムーズなターニングが可能になります。
そして、オーリーやキックフリップ、マニュアルといったトリックにも挑戦してみましょう。これらのトリックは初心者向けの基本的なものから、上級者向けの高度なものまで幅広くあります。少しずつ段階を踏んで練習を進めることで、新しいスキルを身につける楽しさを味わえます。
スケートボードは継続的な練習と挑戦が必要ですが、その分楽しさと達成感を得ることができます。しかし、スケートボードはアクシデントがつきものです。怪我を予防するために、必ず適切な保護具(ヘルメット、ニーパッド、エルボーパッドなど)の着用を心掛けましょう。また、周囲の安全確認やトラブル回避にも注意を払いながら、無理をせず着実にスキルを向上させていくことが大切です。
スケートボードは自由でクリエイティブなスポーツであり、自分自身のペースで楽しむことができます。初めてスケートボードに触れる方も、ぜひ楽しさを見つけながら挑戦してみてください。少しずつ成長していく自分の姿を感じながら、素晴らしいスケートボードライフを送ってください!